何でも作っちゃおうの部屋


(30センチ反射赤道儀製作日記 第25回)

鏡筒の製作3

 今月は筒先リングの説明です。
 筒先リングは、先回の全体図でも解ると思いますが、二重構造になっています。内側のリングはフレーム構造のパイプが接続される部分で、外側のリングはプライムフォーカスのフォーカスリング(バッフル兼)やカメラアダプターを取り付ける部分です。
 まずは内側リングから説明します。材質は 6mm厚SS板。ドーナツ状にジグソーで切り抜いた物と、3本ロール機で丸め加工した物を溶接しました(つまり、ある一部の断面はL形状です)。図の丸が2つずつ並んでいるのがフレームの溶接位置、小さな丸が、低膨張金属インバーが貫通する部分です。某天文誌には、無膨張金属インバールロッドなどと書かれていますが、これは間違いです。インバーは商品名であくまでも低膨張金属です。さらに熱膨張系数の小さなスーパーインバーというのもあります。又、棒状なのが普通ではなく、冷間引き抜きなどの方法で様々な形状に加工するのだそうです。インバーについてついでですので説明してしまいますが、私は「東信鋼鉄」と言う会社で取り寄せてもらいました。最初に行ったときに、「インバールロッドを下さい」と言って笑われました。
 今回使用した物は10Φの物で、両端にダイスでねじ切りをしてあります。
 

鏡筒の製作4

 続いて外側リングです。材質、製法は内側リングと同様です。ただ、リングを丸め加工する際に、内側リングと大きな隙間が出来ないように、極力きつく加工しました。結局内側リングと外側リングはこの羽目合いだけで支えられますので、がたは許されません。4カ所の穴がインバーを固定する部分です。鏡面の極近くから伸びたインバーは、このリングに固定され、温度変化にほとんどずれることなくプライムフォーカスのカメラを吊ります。
 次回はフレームと、フォーカスリングについて説明します。

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