赤経軸取り付けフランジを作る
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今月は赤経軸取り付けフランジについて説明します。 以前の自作赤道儀によく見られたピローブロックを使用している場合でしたら、赤緯軸を赤経軸に対して直角に設置することはさほど難しいことではありませんでしたが、この場合はパイプにフランジを固定しなくてはならないので、しばし考えさせられました。 見た目もある程度は重視したので、パイプにいきなりフランジを溶接するのではなく、埋め込むことにしました。(この方が溶接面積も広がって、強固に接続できるという利点もあります) フランジそのものは図の通り、さほど小細工はありません。材質はSSの丸棒から切り出した物を旋盤加工した物で、図にはありませんが、赤経部との接続のため、赤緯軸を避けるように6カ所のキャップスクリュー用の穴を加工してあります。 |
赤経軸取り付けフランジの取り付け
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赤経軸取り付けフランジの取り付け方法ですが、この埋め込み法には大きな難問があります。 パイプに直接フランジを取り付けた場合には、それなりの直交精度が出るとは思いますが、この方法の場合加工精度がそのまま直交精度になりますから、素人の加工としては非常に不安のあるところです。本当でしたら、取り付け後にフライス処理するべきですが、予算的にもきつかったので、「こんなもんかな」程度で済ませることにしました。 実際の作業は、パイプをえぐり取ってフランジをはめ込むわけですが、円盤状の物を曲面のパイプにはめ込むための形状が理解の範囲を超えていたので、解るところだけ削り取ってから実際にはめ込みながら少しずつ削り進みました。出来上がった切削形状は「まあ、だいたいね」でした。 問題の精度ですが、フランジの当たり面とパイプとの距離をノギスで測定しながらの加工でしたから、押して知るべしです。実際の使用では赤緯軸の直交精度が問題になるほど、他の精度が十分ではないので、気になりません。 取り付け部の溶接はぎちぎちはしてありません。余りしっかり付けると、溶接による収縮が発生して全体を歪ませてしまい、それこそ取り返しの付かないことになるからで、重要な部分部分を点付けのような方法で溶接してあります。 |
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HIROYUKI KASUGA