赤経軸ウォームホイール支持体を作る
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今月はまず、赤経軸のウォームホイール支持体の説明をします。 前に紹介したように、赤経軸用のウォームホイールはミカゲ光機製です。ウォームホイルのリム部は130Φですが、(図には記入してありません)精度表示で外注するのも良いのですが、私の場合は現物合わせと言うことで、加工場にウォームホイールも持ち込みました。 この部分は当初、スリ割りにしてクランプをつけるつもりでしたが、赤道儀の駆動系を2モーター方式に変更して最高1000倍速を実現したので、クランプ機構は必要なくなりました。それよりもむしろ、確実に偏芯無く固定されている事の方が重要と考えました。 実際使用してみて、30センチクラスの望遠鏡を手動で移動するのはかなり大変だと思いますし、この方が実用的です。ただ、先程の現物合わせ方式は、加工場の技術の問題が大きく効いてきますので、やはり精度指定する方が良さそうです。私の場合、わずかながらガタがあり、ピリオディックモーションを悪化させています。 この支持体は、他にも、テーパーローラーベアリングの与圧をかけるナットの役目もしています。 材質はSSで、図には記入してありませんが、ねじ部の外側に固定用ボルトのねじ加工1カ所が、ウォームホイール部には、その固定用のねじ加工が3カ所行ってあります。ともにM10のメスねじです。 |
赤経軸組み立て図
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これで、赤経体の各パーツが完成しました。そこで、組み立て図を掲載します。 赤経軸ハウジングと、ベアリングケースの接続は、精度良く加工されていればアロンアルファを流し込むだけで充分だと言われましたが、私の場合はハウジングの周囲数カ所を溶接してあります。この時、あまりしっかり溶接すると熱による歪みが出ますので、要注意です。このハウジングの部分は最終的に本体の中に入ってしまいますので、見た目は気にしなくていいと思います。 もう一つ重要な点は、ベアリングの与圧の問題です。組み立て順序は、それぞれのベアリングケースにベアリングの外輪を挿入し、極軸の南側に1つのベアリングの内輪を挿入します。そこへ、ウォームホイール支持体をねじ込み、側面からボルトで固定してからベアリングにたっぷりのグリスを塗布し、ハウジングに挿入します。 そして、北側にもう一つのベアリング内輪を挿入し、やはりグリスを塗布した後、1つのナットをねじ込んでいきます。ナットを締め込むにつれてベアリング内輪が、外輪に食い込んでいきます。重要なのはこの点で、使用するベアリングそれぞれに、必要な与圧トルクが指定されています。私の使用したベアリングの与圧トルクが何kgfだったか、手元に資料がありませんでしたので、調査してこのページに掲載します。与圧トルク値はNTNのカタログなどに掲載されています。さらにもう一つのナットを、ダブルナット方式で固定します。その他は図の通りです。 組み立ては実際には赤道儀ピラーを始めとしたパーツ全てが揃ってから行いますが、掲載順序の関係で今回説明しました。 今後、写真で説明できると思います。 |
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HIROYUKI KASUGA