「新しい教育の舞台と学び」
文部省初等中等教育局 視学官 嶋野 道弘 先生
平成12年 5月29日 (月) 午前10時〜 於:伊那小学校
平成14年 学習指導要領の完全実施 現在は移行期間である。これは、特別な意味、特別な任務を任されている。これまでの100年とこれからの100年の橋渡し。
○夏目漱石 「私の個人主義」 日本の文明開化の話し 西洋→内発的(内から自然に出る) 日本の文明開化→外発的
いかにその進歩が早かったか。
○「三四郎」日露戦争の戦勝で日本が酔いしれていることへの警告→日本は滅びていく
内村 鑑三は「文明は人の心の状態にあり」
○物質的な豊かさ 科学進歩で便利さを手に入れた しかし、忘れてきた物がある。それは「人の心の状態にあり」
○総合的な学習の時間…学習指導要領の第5章を各学校がつくる。第一章…総則 第二章…各教科 第三章…道徳 第四章…特別活動となっている。特色ある学校教育を目指して、あなたの学校のページをつくっていくこと。職員の英知を結集し、地域の環境を生かして、自分の所に引き寄せて、しっかりと考えていく。
○今までの移行とは違う。
○20世紀の100年で得てきた物は何か。逆に失った物は何か。(プラスの遺産と負の遺産)
・学校の社会的位置が大きく変わってきた
・「便利さ」を得た→1つ1つの手続き(プロセス)のカット 便利さの恩恵を授かる教育…コンピューター、消費教育
・感じる・考える 心を知らずに失ってきた → 不便さの中に身を置いて、丹念に感じる・考える教育をしなければならない。(体験的な教育の重視)
○21世紀は「変化の激しい、先行き不透明な、厳しい世の中」→「生きる力」の必要性
○教育の中でもっともこの100年で変わったもの→「知」の構造の変化 「知」の空洞化 「知」のアンバランス 「知」の乖離 「知」の高度化と局部化
○大学合格したことで、人生そのものを終えてしまったような錯覚に陥ってしまう大学生→入学と言う有る1つの目的が達成されてしまうと、無になる。何をして良いかわからない。何のために勉強をするのだろうと言う問いが発せられる。
○今、学ぶことの目的を失っている。
○生き物を育てると言うこと 実感→期待、喜び ・芽が出たときの喜び・感動・水をやらないといけない(忍耐)・美しい花が咲いた(美意識) ・育てるということはこういうことだと感じる
○今は、この1つ1つが限りなくなくなってきている。
○チェスのチャンピオン対スーパーコンピューターが戦った。結果は、チャンピオン5勝、スーパーコンピューター1勝
スーパーコンピューターを設計したスー博士は「スーパーコンピューターは物知りの愚者、チャンピオンは知者である。」学習するかしないか、である。「今、学んでいるか。あなたは何ができますか。」ということが問われている。
○知識・理解…情意力 これが結びつき、「実感」としてわかる。これが、現代は結びつかず、乖離している。
○美意識を大切に。「きれいだなあ。」(感動)内発的な意欲 試験があるから勉強する…外発的なもの
○知識と情意力が結びつき、生活に生きていく。
○現代は、学んだことが総合化されていない→「総合的な学習の時間」が生まれてきた背景
○勉強したことを役立てる。
○イメージや想像力が大切。→新しい物を生み出す 答えは1つではない
○自然は公平なものであり、見ようとしなければ見えない。
○学校づくり→「真の学舎」いかに知的に探求させるか。(地図帳で調べる・他の教科書から、本を読むなど)
自己存在感・自己実現・思いや願いの実現
○学ぶ喜び ・できる ・考える →意味づけ 切実感 どういう学習を展開するか。 子どもの気づきを大切にする。・学んだ後の間。
・自分の取り戻し。・子どもにとって学んだと感じるか。
○学ぶ…対象の認識 自分が見えてくる。 価値あるものに 子どもにどういう言葉を返していくか 他者との関係(共通・驚き)価値の自覚化
互いの良さが認識されているか どういうことが学ぶと言うことなのか
●学ぶ感覚を育てる へんだな?きれいだな どうしてだろう?
気づき (センス・感覚を育てる)
●感動する姿を見せる
●感動する子に感動する
●学ぶと言うことについての能動的な概念。(×教わっていないからできない)→地域・人・自然に問いかける→問いかけられ、知的世界を広 げていく。そこから学びが広がる。
学び論→→技能・方法<力>ときめき これが大切