中央構造線露頭
中央構造線は日本列島が出来る時代に形成された断層です。日本列島周辺では、太平洋のプレートが、太平洋側の海溝でユーラシアプレートの下に沈みこんでいます。太平洋のプレートがユーラシアプレートの下に潜り込むときに、太平洋の方からずれてきた岩石を「そぎ削る」ようにおいていったものを「付加体」と呼びます。この付加体がアジア大陸の縁に沿って大きく横ずれしたものが中央構造線です。 中央構造線をはさみ、太平洋側を外帯(西南日本外帯)、日本海側を内帯(西南日本内帯)といいます。内帯の伊那山地側には花崗岩・高温低圧型の領家変成岩、外帯の南アルプス側には三波川結晶片岩と、できた場所が全く違う岩石が接しています。これらの岩石は深さにして20km、距離にして60km離れた場所でできた岩石です。 南アルプスの中央構造線は、両変成帯が直接接しており、立派な露頭が観察できる重要な場所です。(文及び左図は溝口露頭案内板より)