相頓寺そうとんじ

(伊那市高遠町)

  国道361号線の鉾持桟道を過ぎ、旧道に入りすぐ左に折れ、旧坂を上ること30mほどの左側に地蔵菩薩の石像が安置されている。その上左側が「相頓寺」という廃寺跡です。現在、一部は地域の集会所にも使われていますが、墓石、墓域も残されています。『木の下蔭』には、次のように記されています。
一  同村易行山相頓寺といふ古來観音堂あり慶長五庚子年以來堂守住す名不知浄土宗にて今は満光寺の末なり本尊阿彌陀三十三躰の観昔あり近頃まで親音堂といふて寺號を稱へす中頃西心といふ住僧權化して寺建立今は寺號をとなふ市中より上ること二町程後は鉾持山につらなり東は城下のはづれより入の谷の山岳をながめ南は勝間村より駒ケ岳西は所々の山々小原村山田村の農業櫻の馬場の邊三峯川の流れ四時の景色無類の勝地なり
一 此の寺その先は満光寺の裏にあり今も相頓寺畑といふて舊地残れりとそ又若宮より下り橋へ出る辻番所の邊を相頓寺の奮地といふ説あり古へ此所にありし寺を今の片羽の観音堂へ引けるにや可否わかつことなし

 
 
延命地蔵尊
 
六角観音供養塔 
 

左の説明版
 
 
芭蕉句碑(みちのべのむくげは馬に食はれけり)
〈天保癸卯孟春 有志建立〉