八幡社のキリシタン遺跡

(伊那市手良中坪 八幡神社)

 伊那市手良中坪 マリア地蔵と思しき地蔵菩薩のある清水庵から直線にして約1.3km程の集落の入口に、「八幡社」という小さなお社があります。社叢の中に中坪地区の集会所と火の見櫓。2009年(平成21)4月3日、本殿裏の民家の火災のもらい火で、本殿や拝殿、茅葺の屋根がほとんど焼け落ちるくらいの被害を受けました。
 ともあれ、その八幡社。拝殿向かって右の隅の方に、珍しい石の祠が祀られています。

 大小2つの石祠。
 向かって右側、少し小ぶりの祠の屋根の部分、左右に十文字が刻まれています。左の祠に比べると、少々装飾に凝った勢いで…とも見ることはできますが、何とも不思議な祠です。
 山中の「清水庵」の地蔵様。そして、不思議なのは神社の拝殿の脇に「子安地蔵」が「産泰宮」の祠の隣に祀られていることです。
 はたして、これは「隠れキリシタン」の遺跡なのでしょうか?

  屋根の正面上部に、はっきりと「十字形」が刻まれています。